毎年、移動についての多様な取り組みが発表され意見交換が行われるフォーラム。
今回は「外出自粛の時だからこそ『移動』について語ろう」と、
zoomを活用し双方向の議論が行われました。
例年参加している「そとでる」は今年も事務局の運営をサポートさせていただきました。
外出を意味する「そとでる」を名前に冠する私たちの団体として、
一橋大学経済研究所の後藤玲子氏の講演が大変印象的でしたので、
以下抜粋してご紹介いたします。
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テーマ
ケーパビリティ調査 ~外出・在宅の自由を実現するために求められるかたち~
・コミュニティにおいて移動とは、いざとなったら風のようにやってきて、
普段の生活で発生する『圧』を抜く役割を担っている。
・高齢者、障がい者の外出に関するアンケート調査結果から、
外出時に気になること、困ったことの調査において、
1.環境バリア(段差、設備、混雑、携行品、食事、トイレ)
2.対人バリア(コミュニケーション、理解、手助けなど)
3.個体バリア(体調、時間や金銭の浪費)があげられる。
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確かに、コロナ禍で自由に外出できない不便さや「圧」を多くの人が知った今、
障害や高齢のためにその「圧」を日常的に抱えている人の気持ちを
以前よりは身近なものとして感じられるのではないでしょうか。
また、上記3つのバリア(障壁)どれか1つでも引っかかると、
なかなか外出は難しくなるものです。
気軽な外出を担保する存在として「そとでる」の存在をより多くの方に知っていただき、
暮らしのなかで役立てていただきたいと気持ちを新たにする1日でした。
◆くらしの足をみんなで考える全国フォーラムとは?:少子高齢化が進む中で、日常の通院や買い物等に困難を抱える人々が全国で増え続けている。この「くらしの足」の問題を解決するために、当事者、行政職員、研究者、バス・タクシー事業者、福祉・介護・医療の従事者、NPOなど、多くの関係者が集まり、地域を越え、立場を越え、利用者・生活者の目線をベースとして本音で語り合い、お互いを知り合い、それぞれが抱える問題解決のヒントを得る「気づき」の場として、開催されているフォーラム。 |
執筆:(荒)