スタッフブログ
2024年度第2回「そとでる」登録事業者研修会を開催しました
2024年9月27日(金)、2024年度第2回「そとでる」登録事業者研修会を開催しました。
参加者:17名
時間:18時30分~20時15分
場所:うめとぴあ(世田谷区立保健医療福祉総合プラザ 会議室1-1)
今回のテーマは、「認知症サポーター養成講座 世田谷版『アクション講座』」と題し、上北沢と松原のあんしんすこやかセンター様のご協力により開講させて頂きました。
*あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)は、世田谷区が28か所に設置している高齢者のための相談窓口です。社会福祉士、主任ケアマネジャー、保健師等が相談に応じてくれます。(相談無料)
「認知症サポーター養成講座世田谷版『アクション講座』」 ① 世田谷区福祉移動支援センター「そとでる」センター長挨拶 |
【研修会報告】
① センター長挨拶
世田谷区福祉移動支援センター「そとでる」の鬼塚センター長より、研修会開催に際しての挨拶がありました。
② 講師紹介~講師挨拶:笠原所長ご挨拶
上北沢あんしんすこやかセンターの笠原所長より、研修会開催にあたっての抱負などが述べられました。
(写真左より:笠原所長(上北沢あんしんすこやかセンター)、佐藤所長(松原あんしんすこやかセンター)、大内副所長(松原あんしんすこやかセンター)、小山様(上北沢あんしんすこやかセンター))
③ 研修:座学
(1) 認知症クイズ
講師の佐藤所長から、認知症に関する「○×クイズ」が出題されました。
(2) 世田谷区の高齢者と認知症の状況
世田谷区の人口は約92万人。内65歳以上の認知症の人の数は、2021年に3万2千人(約3.5%)となったそうです。そしてその数は、「今後、ますます増えていく」というお話がありました。
(3) 世田谷区 認知症とともに生きる希望条例
講師の大内副所長から条例の目的について、
「私たちが認知症になっても、希望をもって社会の一員として暮らすことができるよう、基本となる考え方を共有し、みんながともに生きることができる、世田谷をつくること」というご説明がありました。
(4) VTR視聴「認知症本人(70代男性)回復への軌跡」
認知症本人の方が出演されているVTRを、参加者全員で視聴しました。
家族、かんたき、訪問看護職員、かかりつけ医、その他個人的におせわになっているところ…等々のネットワークが支えとなることを皆が痛感しました。
(5) 世田谷区「認知症あんしんガイドブック」解説
認知症の概要や診断後、困りごとへのヒント等が掲載されている世田谷区発行の冊子「認知症あんしんガイドブック」(本冊、別冊)について、講師から解説がありました。
ご説明の中で特に印象的だったのは「認知症の『古いイメージ』からチェンジできると、お互いの可能性が広がる」というお言葉でした。
(写真左:本冊。右:別冊)
*冊子のPDFは、世田谷区のホームページからダウンロードすることができます。
【お問い合わせ】世田谷区認知症在宅生活サポートセンター
TEL: 03-6379-4315、FAX: 03-6379-4316
④ 研修:グループワーク「アクション講座」
「アクション講座」では、参加者が自分事として捉えることを意識して、「(地域で)そとでるの業務としてできること」や「活かせること」をテーブルごとに話し合いました。
グループワーク中は、講師からの具体的な問いかけをきっかけに活発なやりとりがかわされました。また、時に、講師の方々も加わった意見交換の場がもたれました。
●講師からの問いかけ:「介護タクシー業務で、こんなことを言われたり、こんなことをされたとき、なんとお声がけしますか? どんな関わりをしますか?」
・同じ話を繰り返しお話しする。 ・急に大きな声を出される。 ・行き先がころころ変わる。 ・目的地で「ここじゃない」といわれる。 ・小銭を使えず、紙幣を出される。 ・物を取られた、といわれる。 |
⑤ 講師講評:小山様
研修会のまとめとして、小山講師から講評のお言葉をいただきました。
「皆様の積極的な参加で、とても楽しい講座になりました。4人に1人がかかると言われる『認知症』ですが、他人事ではなく、自分事として皆が考えれば、住みやすい街になると思います。この講座がそのきっかけになればと思います」。
⑥ 集合写真撮影
最後に、あんしんすこやかセンターの講師の皆様、「そとでる」登録事業者の皆様がそろい、なごやかな空気の中で集合写真を撮りました。
【参加者の声】(一部抜粋)
・知識の見直しと修正ができ、とても有意義な内容でした。
・とても良かったです。自分が80歳の時にどうしたいかなど、考えたことがなかったです。
・「希望条例」等を台東区にも!! (台東区の)服部区長に言っておきます。
・世田谷区のあんしんすこやかセンターが認知症の対応を通じて、地域にあのように働きかけているとは驚いた。安心した。
・少しずつでも、皆(世間一般)の意識が変わると良いと思います。
・認知症サポーター(以前の呼び方)⇒「パートナー」になったことなど、新たな発見があった。
・認知症は誰でもなるので、他人事に考えない。前向きに考える。人とのつながりを築くことが重要だと思った。
【事務局から】
なんとなく、わかっていると思っていた「認知症」。実は正しくわかっていないし、失礼なことをしていたかもしれません。
今回の研修会で「他人事」ではなく、「自分事」として認識すること。「自分、家族、大切な人がそうなったとき、どうすれば良いのか」などが良くわかりました。
そして、「希望条例」がある世田谷区は素敵な街で、それを広めようとされている「あんしんすこやかセンター」様の活動にも感銘をうけました。
また、「希望条例」が目指すところは、「そとでる」の基本理念と重なっていることを確認。
これからも「そとでる」の基本理念をベースにしながら、世田谷区の「希望条例」である“みんながともに生きることができる世田谷”を目指していきたいと思いました。
2024年度第1回「そとでる」登録事業者研修会 開催!
2024年8月18日(日)、2024年度第1回「そとでる」登録事業者研修会を開催しました。
参加者:19名
時 間:9時30分~12時30分
場 所:うめとぴあ(世田谷区立保健医療福祉総合プラザ)会議室1-1、2
今回のテーマは、「送迎時の介助技術研修会」と題し、NPO法人向日葵・三宅 真吾様、西 華子様にご指導を頂きました。
「送迎時の介助技術研修会」 講 師:NPO法人向日葵 ① 理事長挨拶 |
【研修会報告】
① 理事長挨拶
NPO法人「せたがや移動ケア」吉田理事長より、本研修会の開催主旨等について説明がありました。
② 講師紹介
講師から、研修会開催にあたって抱負などが述べられました。
(写真左より:西講師、三宅講師)
③ 参加者自己紹介
研修会の参加者一人ひとりが、自己紹介をしました。
④ 座学(事前講義)
●介護技術
「ベッドから車椅子への移乗介助の方法・コツ」
1.環境整備(車椅子の準備)
2.ご本人が動きやすい姿勢をつくる
・浅座りの介助方法 ほか
⑤ 場面転換
事前講義として、座学の時間がもうけられていましたが、講師から「座学では伝えきれない!」というご発言があり、急きょ、実技指導に切り替わりました。(講師の熱量に感謝!)
⑥ 実技研修
A、B、2チームに分かれ、実技研修が始まりました。
●Aチーム 三宅講師:受講生、スタッフ 9名
●Bチーム 西講師:受講生、スタッフ 10名
・介助ケース1. ベッド↔車椅子
・介助ケース2. 車椅子→車椅子
・介助ケース3. ベッド→布担架→車椅子
登録事業者は当然ながら「介助のプロ」。(釈迦に説法の研修かも知れませんが、)プロ野球選手はプロになってからもとても厳しい練習を日々繰り返すことで、プロの地位を維持しています。
登録事業者も適宜適切に技術をブラッシュアップすることで、利用者様により「安全」「安心」「快適」を提供できるのでは、と思います。
その観点では、非常に熱を持った講師のお陰で、充実した実技研修となりました。
⑦ 質疑応答
赤堤介護タクシー・福田さん、しいの美サポート・遠藤さんからの質問に対し、両講師より応答がなされました。
⑧ 講師講評(一部抜粋)
すべての研修終了後、講師より講評の言葉をいただきました、
「皆さん、日常的に介助をされているだけあって、とてもスムーズに研修できました。自分が快適に介助できれば、利用者様も快適に感じられているはずです。
本日の研修会のポイントを1つあげると「膝ロック」です。これができると、介助事故の多くは排除できます」。
⑨ 修了証授与(理事長)
本研修会を修了された皆さんに、吉田理事長より「修了証」が授与されました。
⑩ センター長挨拶
「そとでる」鬼塚センター長より、両講師へのお礼と、本日の「送迎時の介助技術研修会」の継続開催が約束されました。そして2024年度第1回「そとでる」登録事業者研修会の終了が宣されました。
【参加者の声】(一部抜粋)
・次回も移乗、介護に精通した内容を期待しています。日常の業務に際し、大変役に立つので助かります。
・初めての業界なので、すべてが新鮮に感じ、また今回のような研修自体、非常に「ありがたい」と感じました。後日の業務でも、役に立ったと感じています。
・大変有意義な研修会でした。私が介護福祉士の資格を取った時に教わった介助の仕方が、10年前から変わっていたことに驚きました。具体的には「移乗介助時にご利用者さんの両足の間に自分の足を入れることや、ズボンの背中側をつかむことが今はタブー」ということです。代わりに膝と膝をつけて膝ロックし、膝折れ防止のやり方や、(ズボンをつかむことは失礼にあたるので)肩甲骨辺りを支えるなど、新しい知識を学ぶことができました。
・体重の重い方の移乗のやり方や、床からの立ち上げ方、布担架の実演介助もとてもためになりました。
・講師のお二人の説明や実技も分かりやすくとても良かったです。実技がほとんどで実践に役立つ内容でした。このような研修会は何度でも必要だと思いました。また今回はいらしていない事業所の皆様にも参加して頂きたいと思える研修会でした。修了証も頂き、ありがとうございました。
・実際のパターンを想定しての研修でしたので、とてもためになりました。
・とても良い企画でした。自身の仕事に大いに役立ち、これからも2回、3回と続いて欲しいです。
・実習研修が充実していて、少し時間が足りなかったと感じました。最近変更になった介助方法について教えて頂き、実践で役に立ちました。
・ベッドの高さの設定が低すぎて、ぎっくり腰をやってしまいました。次回は高さを調節させてください。
・介助技術の研修会は今後も定期的に必要だと思います。次回開催予定の認知症の研修会(「アクション講座」(9月27日開催))も楽しみにしています。今後の研修会は「救命救急講習会」、「上級救命救急講習会」、「交通事故や介助事故の防衛策や対処方法」などを希望します。
・移動支援に於いて、ストレッチャー介助技術研修をして頂けると助かります。今後、車椅子対応に加え、ストレッチャー対応を検討する予定です。参考にさせて頂ければと思います。
・移乗の安全面を何度もテーマにした方が良いと思います。また、事故例を共有した方が良いと思います。運転免許更新時に事故映像を見るように、何か映像が良いです。
【事務局から】
とにかく、講師の熱量が半端なく、受講者もその熱に乗せられ、充実した研修会となりました。
そとでる事務局としましては、登録事業者全員に介助技術研修会を受講頂きたく、継続開催を目指して参ります。
「福祉有償運送認定運転者講習会」開催!!
2024年6月15日(土)、16日(日)に、「福祉有償運送認定運転者講習会」を世田谷ボランティアセンターにて開講いたしました。
受講者は7名で、移動支援についての心構え、基礎知識、福祉車両について等を座学講義で学び、実技では車椅子を利用しての階段介助や実際の運転などを行いました。
今回の受講者は、積極的に福祉有償運送へ取組む予定の方も数名おられ、アンケートでも総じて高評価を頂きました。今後の地域でのご活躍が大いに期待されます。
本講習会は、次回2025年1月の開講を予定しております。
上段の写真:全員でパチリ!
下段写真:階段介助風景
「セニアカーを用いた社会実験─希望ヶ丘団地」報告
2024年1月31日(水)、「セニアカーを用いた社会実験(2023年2月19日(日)、UR希望ヶ丘団地(船橋7丁目)で実施)」の報告が行われました(10:00─10:30、船橋まちづくりセンター(船橋4丁目))。
写真:船橋まちづくりセンター外観(世田谷区ホームページより)
報告は、実験を実施した高橋 良至教授(東洋大学 福祉社会デザイン学部 人間環境デザイン学科)がされ、「そとでる」(NPO法人「せたがや移動ケア」)鬼塚事務局長は実験協力担当として出席しました。
高橋教授は、2023年2月に行った実験(アンケート、セニアカー実走行)についてまとめた論文と学会発表ポスターを元に、研究と実験の結果をご報告。出席された世田谷区船橋まちづくりセンター 長谷所長、星野係長、船橋あんしんすこやかセンター 渕上様に、超高齢社会と買い物困難者の関係、団地高齢者の移動と買い物(食料品)の現状、UR都市機構・団地自治会・サミットストアの協力のもとに実施した「セニアカーを用いた買い物実験(希望ヶ丘団地⇔サミットストア世田谷船橋店(船橋6丁目))」の結果等を話されました。
写真奥:(左)高橋教授、(右)「そとでる」鬼塚事務局長
続く質疑応答の時間では、ご出席の皆様と高橋教授のやりとりがあり、今後の課題や問題点が交わされました。また2024年2月に実施予定の「第2回目実験」について、協力依頼および概要説明がありました。そして最後に高橋教授から、「継続的に実験を行って、買い物のための移動支援の仕組みづくりを一緒にできればと考えています」と結びの言葉が述べられました。
「そとでる」は2023年2月の実験において、関係者の皆様との各種連絡調整、各種申請、問い合わせ窓口、実験補助、記録等の協力を担わせていただきました。また、実験当日、希望ヶ丘団地自治会長からうかがった希望ヶ丘団地の歴史や近隣事情は、移動支援を行う団体としてはもちろん、八幡山1丁目に事務所がある「そとでる」にとって多くの気づきを得るものでした。
写真左より:アンケート調査や実験補助等を行う「そとでる」スタッフ、「おでかけサポーターズ」メンバー、実走行(すべて2023年2月19日。写真撮影:「そとでる」スタッフ)
【実験の目的】
買い物支援のための移動機器の運用方法の確立と、そのための機器開発。市販の電動カートを用いて買い物を行う様子を記録、データを得ること。
【対象者】
UR希望ヶ丘団地の住民を中心として、近隣住民および協力者。
【実走行のルート】
往路:集会所前→団地敷地内→歩道走行・横断歩道→本村橋→サミットストア世田谷船橋店→店内・買い物→店外
復路:歩道走行→本村橋→横断歩道→団地敷地内→集会所前
2023年の「セニアカーを用いた社会実験」にご協力くださった関係者の皆様、ありがとうございました。 「そとでる」は2024年の実験についても協力を担当。引き続き実験のお手伝いを通じて、地域の団地のご高齢者の方々の「移動の困難」について探る機会をいただきます。 |
高齢者向け・お役立ち電話帳に「そとでる」が掲載されました!
世田谷区内の高齢者や認知症の方、ご家族・周囲の方の暮らしを支援する「世田谷区認知症在宅生活サポートセンター」から、『高齢者向け・お役立ち電話帳 生活の「困った」をお手伝い』が発行されました。
これは「世田谷区のくらしに役立つワンポイント情報」として、世田谷区で利用できる介護保険以外のサービスがまとめられた「電話帳」です。
さまざまな「○○の困った」が見開き2ページごとにまとめられていて、大変わかりやすく手にとりやすい内容です。
「そとでる」はこの「令和6年1月発行」版の「居場所・交流の困った」編で、おでかけのお手伝い(「送迎サービス選び」)をする団体としてご紹介していただきました。
「読んでみたい」と思われた方は、世田谷区認知症在宅生活サポートセンターやあんしんすこやかセンターなどで配布されているほか、世田谷区認知症在宅生活サポートセンターのサイトからダウンロード可能です。
ぜひ、毎日の生活で「困った」ときに、ご活用ください!
■主な内容
●「家事の困った」編
●「見守り・道迷い・防犯の困った」編
●「居場所・交流の困った」編(⇐ 7ページ目に「そとでる」が掲載されています)
●「お金の管理・手続きの困った」編
◆認知症在宅生活サポートセンターとは?(世田谷区ホームページより) 認知症の早期対応体制の確立や、医療と福祉の連携推進、医療・介護の専門職の実務的な支援能力の向上、家族支援の充実等、区における認知症ケアモデルの構築を進めていくための、専門的かつ中核的な全区の拠点としての役割を担います。 ・所在地:東京都世田谷区松原6-37-10 世田谷区立保健医療福祉総合プラザ1階 ・TEL:03-6379-4315 FAX:03-6379-4316 |