八幡山一丁目だより
キッズ、YA(ヤングアダルト)におすすめの本
─ 家族、老い、介護を中心に No.1
こまったとき、相談できる ともだち。
うれしいとき、かなしいとき、そばにいる ともだち。
本をひらくと、そんなともだちに出会えるかもしれません。
ばあばは、いつもいってくれる。「つばさは だいじょうぶだよ」って。
(本文より)
『ばあばは、だいじょうぶ』
楠 章子 作/いしい つとむ 絵
童心社(初版:2016年12月20日)
(小学校低学年から)
表紙は、ばあばと、あまえる男の子。ふたりのわらいごえが聞こえてきそうです。
主人公は、表紙の男の子 つばさ。
つばさは小学校から帰ると すぐにばあばのところに行って、その日のできごとを話します。
ママにしかられたときも なきそうになるのをがまんして、ばあばに話します。
ばあばは、かならず「だいじょうぶだよ」といってくれる。
そう、つばさはやさしいばあばが、だいすきなんです。
ところが、ばあばが変わっていきます。
同じ質問をくりかえしたり、とくいのあみものをしながら わからなくなっちゃったり…。
どうやら ばあばは、「わすれてしまう」びょうきみたい。
つばさは、そんなばあばが こわくなっていきます。
ある日、ばあばがいなくなってしまい…。
あなたの たいせつな家族がいなくなったら、しんぱいですよね!
つばさも同じ気持ちです。
さて、このあと、ずっと ばあばに守られていたつばさは、どうするでしょう?
どうぞ さいごのページまで、ゆっくりと読んでください。
あったかい気持ちになりますよ。
だれにでもかならず訪れる「老い」や、「家族のつながり」について、わかりやすく伝えてくれる絵本です。特に「あとがき」は作者ご自身の体験が描かれており、胸にせまります。 ・第63回青少年読書感想文全国コンクール課題図書・小学校低学年の部(2017年) ・第3回「児童ペン賞」童話賞(2017年) ・キーワード:認知症 介護 老い 家族 |
(スタッフ・石黒)(イラスト Copyright @ISHIGURO 2021)