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鉛筆 福祉有償運送運転者講習会 開催!!

2026年1月24日(土)、25日(日)の2日間にわたって、「世田谷ボランティアセンター」にて今年度第2回の「福祉有償運送運転者講習会」を開催しました。

・受講者:14名
・開催日時:2026年1月24日、25日(土、日)、10時~17時(25日は、10時~16時)
・開催場所:三軒茶屋「世田谷ボランティアセンター」(下馬2-20-14)

■福祉有償運送運転者講習会 開催報告
寒風吹きすさぶ中、福祉有償運転者を目指す14名の方にご参加いただきました。
以下に2日間の講習会の様子を報告します。

【講習会 1日目:講義内容と講師】
① 主催者挨拶&オリエンテーション
挨拶:特定非営利活動法人せたがや移動ケア 吉原 浩一理事


② 移動サービス概論
講師:特定非営利活動法人せたがや移動ケア 吉原 浩一理事
  

③ 移動サービスの法律・制度を理解する
講師:世田谷区 障害者地域生活課 田村 裕子係長


④ 移動サービスの利用者を理解する(セダン等利用含む)
講師:上北沢あんしんすこやかセンター 笠原 康右 所長
 
 
⑤ 利用者の接遇・介助について
講師:特定非営利活動法人向日葵 横溝 美和 理事長


⑥ 移動サービスでの運転に必要な知識と心構え
講師:しいの美サポート 遠藤 貴 氏
 

⑦ 安全で安心できる運行とリスクへの備え
講師:特定非営利活動法人せたがや移動ケア 吉原 浩一理事


講習会の初日は、主催者挨拶とオリエンテーションの後、「座学」6コマを行いました。

時間にして5時間の長丁場でしたが、途中、「そとでる」スタッフ・野辺の音頭でストレッチ体操を行ってリラックス。心身をリセットして再び受講し、17時に終了しました。

 
【講習会 2日目:講義内容と講師】
① 福祉車両と接遇について(講義)(セダン講習含む)
講師:特定非営利活動法人せたがや移動ケア 吉原 浩一理事


② 福祉車両と接遇について(演習)(セダン講習含む)
講師・特定非営利活動法人ヒューマンハーバー世田谷 伊東 利幸氏
講師・マアクン介護タクシー 山本 正明氏


③ 車椅子の操作と階段介助(演習)
講師・特定非営利活動法人せたがや移動ケア 吉田 正 理事長
講師・マアクン介護タクシー 山本 正明氏
講師・特定非営利活動法人ヒューマンハーバー世田谷 伊東 利幸氏
講師・赤堤介護タクシー 福田 譲二氏
 




④ 運転実技
講師・特定非営利活動法人ヒューマンハーバー世田谷 伊東 利幸氏
講師・マアクン介護タクシー 山本 正明氏
講師・赤堤介護タクシー 福田 譲二 氏
 

講習会の2日目は、車椅子での階段介助や、車椅子に乗って車両に乗車し、実際に車内での利用者様と同様の体験をした他、車椅子を車内に固定したり、公道を実走…等々にチャレンジ。
受講者の皆様に、日常生活ではなかなか経験できないことを体験していただきました。

最後に、主催である特定非営利活動法人せたがや移動ケア 吉田 正理事長より、「講評」と「修了書の授与」が行われ、2日間の講習会が終了しました。

受講者の皆様、2日間、大変お疲れ様でした。この講習会を終了された皆様は、福祉有償運転者として活動することができます。
皆様がそれぞれのスタイルで、地域住民の方々のためにご活躍されることを祈念致します。
受講者の皆様、講師の皆様、どうもありがとうございました。

【事務局より】

従来の本講習会の参加者は高齢男性が多かったのですが、今回は14名中4名が女性でした。
・年齢構成:20代 1名、30代 1名、50代 7名、60代 4名、70代 1名と、福祉有償運転への関心が世代や性別を超えて拡がりを見せていることを実感できる講習会となりました。
・運営の課題:お陰様で多くの受講生に参加頂けておりますが、特に実技に関しては、車の台数を増やす、車椅子での階段介助のやり方を見直す等が必要となっております。今回はこれらの課題に関する配慮は欠けていた結果、2日目の終了が17時となりました。受講生の皆様にご迷惑をおかけした点を、改めてお詫び申し上げます。

 

お知らせ そとでる登録事業者連絡会を開催致しました。

2026年1月23日(金)、今年度第1回目の「令和7(2025)年度(第1回)そとでる登録事業者連絡会」が開催されました。

・参加者:13名(12事業者)
・開催時間:18時30分~20時30分
・開催場所:子育ステーション梅丘(世田谷区松原6-41-7 会議室A,B)

 

■次第

1. 運営法人せたがや移動ケア理事長挨拶
(代理:世田谷区福祉移動支援センター「そとでる」センター長)

2. ご出席者の確認

3. 第一部
(1)2025年度(令和7年度)そとでる実績報告、活動予定の説明
・そとでるの運営に関する説明と意見交換
(2)「東京都カスタマーハラスメント防止条例」(2025年4月1日施行)への対応

4. 第二部 抱える問題を話し合う(ワークショップ)
◆そとでるの登録事業者同士でそれぞれが抱える問題を話し合う
・「基本介助料」の設定目的と利用者理解
・運転者、後継者不足に如何に対応するか
・「介助」に関する問題点

5. まとめと閉会の辞

 

 【第一部】
開会に先立ち、福田センター長(赤堤介護タクシー)より開催の挨拶を頂き、続けて参加者の自己紹介を行いました。 

写真左:福田センター長挨拶、右:参加者全員の自己紹介風景

 

自己紹介の後、配付資料(別紙:登録事業者専用ページに格納)に基づき、吉原事務局長の進行により、第一部 (1)2025年度(令和7年度)そとでる実績報告及び、残余期間の活動予定、(2)「東京都カスタマーハラスメント防止条例」(2025年4月1日施行)への対応 について説明が行われました。

冒頭、参加者の皆様に対して「当連絡会は本来 前期終了後に速やかに開催されるべきところでしたが、今年度は前事務局長の鬼塚 正徳氏が10月に退任したことに伴い、開催が本日に延期となりました点をお詫び申し上げます。新体制での業務も安定して参りましたので、今後のイベント、会議等は開催スケジュールを守り、開催・運営して参ります。今後とも宜しくお願い申し上げます」と、本連絡会の開催が遅れたことに関して謝意が示されました。

 

【第二部】
引き続き、第二部「抱える問題を話し合う」(ワークショップ)に移りました。
テーマは、(1) そとでるに対するご意見、ご要望、(2) ドライバー不足、後継者不在等に対する対応、(3) 介助案件において現場で困ったこと でした。以下にご発言を抜粋して掲載します。

(1) そとでるに対するご意見、ご要望
・そとでるからの配車情報が間違っていたり、不足していたりするケースがある。正確なヒアリングをお願いしたい。
・特に、ケアマネジャーからの配車依頼時の情報は かなり薄いと思われる。
・利用者様よりの直接、またはそとでるからの配車依頼を受けたケースで、前後の運行のずれなどにより対応が難しくなる場合がある。この場合そとでるで新たな配車を行っていただけると助かる。
・タクシー券等の換金対象地域を拡大して欲しい。例えば「三鷹市」、「西東京市」等。
・「緊急」の場合、エントリーをしてそとでるよりの連絡を待つわけだが、他の業者に決まった場合の連絡ももらえるとありがたい。

(2) ドライバー不足、後継者不在等に対する対応
・ドライバー不足で、1台 車が稼働していない状況。そとでるで一括求人募集をしてもらえないか。
あるいは、ドライバーバンクのような形態を作れないか。
・後継者に関しては、利用者様の安定した移送を念頭に置けば、重要な問題である。そとでるにそのような人材の求人、育成機能があると大変助かる。

(3) 介助案件において現場で困ったこと
・そとでるからの配信に「重介助」と伴う事案に関しては、利用者様の体重を記載して欲しい。
・利用者様の体重が100kg超で、2名体制でも対応できなかったことがある。
・料金の精算が終わった後に、自宅に入る際の階段介助を求められた。このケースは追加で介助料を頂いて良いのでしょうか?

以上のようなご意見が活発にかわされ、互いが抱えている問題を共有しました。 


【事務局より】
参加者の皆様、活発なご意見の交換、誠に有難うございました。そとでるでは頂いた貴重なご意見、ご要望を今後の検討課題と認識し、「事務局スタッフミーティング」、「そとでるオープンミーティング(SOM)」、「そとでる運営委員会(理事会)」等 あらゆる場面で検討解決して参る所存です。
今後も忌憚のないご意見をお寄せいただきますよう お願い申し上げます。

にっこり そとでる「お疲れ様会」開催!!

2025年12月12日(金)、そとでる「お疲れ様会」を開催致しました。
(18時~21時。「そとでる」事務局・横リビングにて)

そとでる主催の「お疲れ様会」も、夏の「暑気払い会」を含めて3回目の開催となりました。
今回は過去最高となる32名の参加者が集合!
会場は大いに賑わいました。

写真(左より):開会挨拶・せたがや移動ケアの吉田理事長。カメラに向かって笑顔の皆様。仕事のあとのおいしい食事の数々に舌鼓。

 

今回の目玉企画は、アイラブケア介護タクシーの二村 知幹氏による「出張寿司」。

正真正銘、“本物の「寿司職人」”である二村氏に、握りたての「握り寿司」を振る舞って頂きました。
参加者の皆様は、二村氏の意外な一面に驚きつつ、新鮮な握り寿司に舌鼓!
仕事の疲れも吹き飛びました。

 
「おいしそう! 早く食べたい!」の声があがる。

二村さん、ありがとうございました。 


食事以外にも、ジェスチャーゲームや、ビンゴゲームで大盛り上がり!
食べて、飲んで、語り合い、事業者様間の交流も進みました。特に、今年ご登録頂いた事業者様のご参加が多かったこともあり、新規の方は先輩事業者様との交流を図られていました。

「そとでる」では、今後も夏(暑気払い会)、冬(お疲れ様会)に登録事業者様の日頃のご協力への感謝&慰労を目的とした会を開催していきたいと存じます。

スタッフ一同、野辺(企画、運営)を中心に開催を継続してまいりますので、引き続き 応援をよろしくお願い致します。


「頑張れ! 野辺っち!!」 

本 2025年度 第3回 そとでる登録事業者研修会「使える『補助金』『助成金』」開催!

2025年9月12日(金)、今年度 第3回 そとでる登録事業者研修会「使える『補助金』『助成金』」が、20名の登録事業者の参加にて開催されました。

 

すでに開催した今年度の登録事業者研修会2回が、「身体を使う」(「普通救命講習会」)、「技術を身に付ける」(「介助技術講習会」)内容であったのに比し、今回は「頭を使う」、「知識を身に付ける」内容として企画致しました。

講師は「そとでる」スタッフの吉原が務め、配付資料、投影資料も手作りと、「内製」による研修会となりました。

 

「使える『補助金』「助成金」」

講 師:世田谷区福祉移動支援センター「そとでる」 スタッフ・吉原 浩一
(NPO法人せたがや移動ケア・理事)

参加者:20名

時間:18:30~20:00

場所:子育て支援ST梅丘会議室A,B

 

開催に際して講師・吉原より、先の「第39回 リハ工学カンファレンス in東京」にて発表した論文、「介護タクシー業界の将来展望:超高齢社会における変革と持続可能性への道筋」(以下、PPT資料4点)の要旨を説明する中から、介護タクシー業界の課題の一つに「資金調達:補助金等の活用」があること。そのために、本日の研修会を開催させていただいたことを説明しました。




  

 【研修会報告】

論文の要旨説明の後、 引き続き、「補助金」「助成金」の解説に入りました。

 ①   シニア・福祉・アクセシビリティ関連製品等の販路開拓助成事業

②   交通DX・GXによる経営改善支援行補助金「バリアフリー化設備等整備事業」

③   小規模事業者持続化補助金

④   世田谷区中小事業者経営支援補助金

⑤   カスタマーハラスメント防止対策推進事業奨励金

 以上、5つに関しての詳細説明が行われました。

 併せて、補助金・助成金を探したり、申請したりする際に必要な「GビズIDプライムアカウント」、「Jグランツ」に関しても説明が加えられました。

 その後、質疑応答や参加者自己紹介が行われ、さらにそとでる事務局から次回の研修会案内がありました。

 

【閉会挨拶】

最後に、NPO法人せたがや移動ケア 吉田理事長 よりご挨拶を頂き、閉会となりました。

「吉田理事長 閉会挨拶骨子」

「皆様、お疲れ様でした。今日の研修会は日頃の研修会とは違った内容でしたが、『補助金』、『助成金』に関しての認識が深まったと思います。若い事業者は今日説明があったような補助金・助成金を活用し、益々事業を拡大して頂きたいと思います。それが世田谷区の移動困難者の利便性向上に繋がると思います。今日は業務終了後、お疲れ様でした」。

 

【参加者の声~アンケートより】(一部抜粋)

設問① 今回の催しについて、満足度をお聞かせください。

大満足 8

満足 5

設問② 今回の催しについて、ご自由にご意見・ご感想などお聞かせください。

〇以前UDタクシーへの変更に関して東京都が120万円補助していたと、聞いています。また、福祉タクシー同様に補助されていたと聞いていました。現在、東京都で行っているのかを確認したいと思いました。

〇たくさんの補助金、助成金があることがわかりました。サイトを見てみたいと思います。

〇(補助金、助成金の申請が)必要な時にご相談させてください。

〇大変勉強になりました。

〇「GビズID」はすぐに作成しようと思います。詳しい内容を聞けたので良かったです。

〇大変参考になりました。

〇知らなかった補助金の話を聞くことができて、参考になりました。

〇大変勉強になりました。Gビズ、Jグランツ、やってみます。

〇Webサイト、多言語化、リーフレット制作を考えていたので、とても勉強になりました。

設問③ 今後開催予定の「移動支援」、「交通安全」、「介護技術」等をテーマとした研修会について、ご希望などありましたら、お聞かせください。

〇本日の補助金、助成金に関する「第2回研修会」があれば、よろしくお願い致します。

〇スロープ、リフトをしまった上で、院内介助等へ行って欲しいです。

〇タクシー利用者の声などを知りたいです。

〇次回も楽しみにしております。

〇防災について等。

〇移動支援について。

 

【事務局より】

今回、内製による研修会を試みてみました。アンケートの結果等を拝見させて頂くと、一定の成果は得られたのかと思われますが、内容としましては、もう少し深みのある説明をするべきとの反省があります。アンケートでお言葉を頂きましたが、「第2回」があれば、研鑽を積んで行きたいと思います。皆様、お疲れ様でした。

 

ひらめき 第39回 リハ工学カンファレンス in東京② 市民公開講座

第39回 リハ工学カンファレンスの最終日(8月10日(日))、市民公開講座「くらしの足の未来をデザインする─病院や買い物に行く手段がなくなる日がくる?」が開催されました。(参加:約100名)
同講座のパネリストのひとりとして、「そとでる」鬼塚センター長が登壇させていただきましたので、報告いたします。(カンファレンスの記事①はこちら

毎年、「そとでる」が協力・参加している「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム」顧問の鎌田 実氏(東大名誉教授)が基調講演を行い、事務局長の清水 弘子氏(NPO法人かながわ福祉移動ネット理事長)がパネリストとして登壇。
他に、民間救急事業者の羽根田 孝氏(介護タクシー ケアリング代表)が、赤羽台キャンパスがある北区の事業者として話されました。

 

■市民公開講座「くらしの足の未来をデザインする─病院や買い物に行く手段がなくなる日がくる?」(以下は同会HPより)
体力の低下により交通手段が確保できなくなることは、誰にとっても身近な問題です。さらに近年、バスやタクシーの運転手不足も深刻化し、公共交通の維持にも問題が生じています。このような「交通の空白」をどのように解消し、誰もが安心して買い物や通院ができる地域を維持していくのか、このディスカッションでは、専門家や福祉有償運送事業者らを交えて、未来のくらしの足を確保するヒントを皆さんと一緒に探ります。

■基調講演
「くらしの足のいま」 鎌田 実氏(東京大学名誉教授)

■パネルディスカッション
「くらしの足をみんなで考える」
パネリスト:
鎌田 実氏(東京大学名誉教授)
清水 弘子氏(かながわ福祉移動サービスネットワーク 理事長)
鬼塚 正徳氏(「そとでる」センター長)
羽根田 孝氏(北区 福祉介護タクシー ケアリング 代表)

■日時:8月10日(日)13:30-15:00

■場所:東洋大学赤羽台キャンパス WELLB-HUB2

◆基調講演
鎌田氏は、地域交通や地域の街づくりに興味を持って東大で30年間、研究を続けていらしたという自己紹介の後、「東京ではあまり感じないかもしれないが、都営バスが毎年減便している」と話されました。続いてデマンド交通の複数の事例紹介、国交省で取り組んでいるさまざまなキーワード(地域公共交通のリデザイン、交通空白、日本版ライドシェア、自動運転等)について、スライドを用いながら話されました。

また、著書『移動困窮社会にならないために』を紹介し、今後課題となるマイカーの維持費や自由に移動できなくなる恐れがある社会を「移動困窮社会」と名付けたことなどを話されました。
そして講演に続くパネルディスカッションでは、福祉有償運送、福祉的な側面、介護タクシーの話、移動困難の中で「足の覚悟がどうなっているか」を議論していきたいと結ばれました。


◆パネルディスカッション

まず鎌田氏が、「どういう将来像を描いていくか、移動手段だけではなく街づくり全体を考える必要がある」と問題提起されました。そして「特に地方では加速が進み、人口ゼロという集落も出てくる。人口がある程度減っても持続可能な将来像を描いておきたいし、一方 大都市では人口が減少傾向と言ってもまだまだ数は多い。団塊の世代の人が高齢者後期高齢者になった時にどういう手段で動けるのか、大きな意味での街づくりを考える必要がある」と続けました。
さらに「行政、交通事業者に任せておけばいいのか。住民の側も力を合わせてどう貢献ができるか?」と投げかけました。

続いて、パネリストが一人ずつ話題提供を行いました。はじめにNPO法人かながわ福祉移動サービスネットワークの清水氏が話されました。
清水氏は、25年前から活動を始めた市民活動の現場、福祉有償運送の話、全国で 2,500とも3,000とも言われる高齢者障害者の外出支援について述べました。
そして、福祉有償運送:移動サービスについて説明。通院、日常の買い物、お出かけが可能であること。「介助したり、一緒にお買い物を楽しむということも移動サービス」と話されました。他にも、社会参加を助ける意味合いから行っているさまざまな事例を紹介した後、移動困難の解消のための取り組みについて紹介。「地域で支え合うくらしの足」として市民主体で作り上げたお出かけの取り組みは映像でも紹介され、会場で視聴している方々から多くの反応がありました。

 

2人目のパネリストとして、「そとでる」せたがや移動ケアの鬼塚が登壇。自己紹介として、50年前に世田谷区梅ヶ丘にある特別支援学校の卒業生たちと一緒に移動支援を始めた話をしました。続けて、移動サービスについて「福祉有償運転者講習会」で使用する資料を用いて説明。福祉輸送について会場の皆様に知っていただくために法律や行っていること、一般タクシーとの違い等を述べました。さらに、世田谷区福祉移動支援センター「そとでる」について紹介し、介護タクシー、NPOなど150の事業者、団体が登録していること。その仕組みについて写真を用いて説明しました。

次に登録していただいているご利用者について説明し、「そとでる」10年間の活動の中で約1万人いらっしゃること。1年間に約1,000人ずつ登録者が増えていることを世田谷区民92万人という数字や高齢化とからめて分析。ご利用者の年齢層、利用目的、利用回数等をアンケート結果と写真をもとに説明しました。そして、「駅やバス停までの500m、200mを歩けない人たちのためにどのような交通政策があるか。ご利用される方々の目的や行き先をどう把握して制度化するかを皆さんと一緒に考えていきたい」、「外出して、人と話して、からだを動かすことができる社会。そのような社会を共生社会の中でつくりたい」と結びました。

最後に、北区で民間救急を行っている福祉介護タクシー ケアリングの羽根田氏が登壇されました。羽根田氏は「介護タクシー現場の立場と現状の課題」を話され、「介護タクシー利用者は幅広く、車いすを利用するお子さんからご高齢の年配の方までいらっしゃる」こと。予約制で一般のタクシーと違い、料金と使用方法など多く異なる部分があること等を説明。問題点として、料金価格についてあげました。また具体的な介助方法や、機材の説明(車いすリクライニング、車いすストレッチャー等)をわかりやすく説明されました。他にはご利用する時間帯等、会場にいらっしゃる方々が実際にご利用される際を意識して話されました。最後に問題点として、「国と病院、地域、包括、ケアマネなどが連携して必要な人が必要な時にご利用できる仕組み。福祉車両。料金補助。助成金等、一般の利用者と介護タクシーのネットワークを充実させることができれば」と述べました。そして、「介護タクシーはありがたく思っていただける仕事。若い世代から認知してもらい、現状を変えていけることが理想的」と結ばれました。

この後、鎌田氏が進行役となって、パネルディスカッションを行いました。鎌田氏はふりかえりとして、「私はデマンド交通の話をしましたが、そこでカバーできる人は限られていて移動困難な方はたくさんいらっしゃる。3人の方からは、それぞれ日々取り組んでおられることをうかがいました」と話され、「鬼塚さんの話にあったように、これからは高齢者、特に移動困難な方が増えていく。その中で、どうやってお出かけの足を確保していくのかが大きな課題」と述べられました。

続いて清水氏が「いま、国は交通空白解消のため、官民連携プラットフォームで繋げてアプリを使って利便性を上げようという方向。その時の交通空白とは一体何だろう?」と問題提起。続けて「私たちはいつも移動困難な方、特に外出する時に誰かの助けが必要な方と一緒にいる。ボランティアの延長線上で福祉有償運送を頑張っているが、私は階段介助が難しくなってきた。まだまだ地域では色々な交通移動困難があるのに、私たちのできないことが少しずつ増えていくと、移動困難な方の外出する機会がなくなってしまうのでは? と思っている」と述べました。そして「共助や、有償運送、それを支える自治体がうまく噛み合うようになると良いと思う」と話されました。

次に、「そとでる」の鬼塚センター長が、「50年前に運転を始めた頃はバリアだらけだった。いま、社会・時代は少しずつ変わっていったと感じている」と述べました。そして、「あとは皆さんの力。社会問題に対して力を貸してもらう。くらしの足をみんなで考える全国フォーラムや、今回参加させていただいたカンファレンスのように、研究者たちが考えること、地方、東京の現場で解決策を生み出していくこと、そこから新しいことをやっていく」、「いま、チャレンジできる状況が生まれてきた。皆さんも身の回りに動けない人などいたときに、自分のできることを仲間と考えれば、色々なことができていくと思う」と期待を込めました。

3人目の羽根田氏は、「介護タクシーは、患者、利用者様、お客様の命を預かって特殊車両・特殊機材で搬送する職業。そのため、介護タクシーは高いと思われるかもしれないが、正当な料金になっているはず。もし使う機会があったら、納得いくまで介護タクシー会社に聞いてください」と発言。また、「今日の話を聞いて、皆さんが少しでも介護タクシーに興味を持って『やりたい』と思ったら、いつでも声をかけてください。僕が責任を持って教えますし、応援します」と熱く呼びかけました。

最後に、進行役の鎌田氏がパネリストの皆さんのお話をふりかえり、「今日はお出かけの足が今後どうなるか。いま、こんな状況であるというのを少しご理解いただけたと思う」と述べられ、「利用したい人の数、最低限の移動だけではなくて、週に何回もお出かけできるようにするためには、もっとサービスの供給側が頑張らないといけない。それを公共交通側とタクシー・NPO・介護タクシー・限定等で、うまく重ねて広げていくことが今後の日本にとって非常に大事。
お聞きになった皆さんも3人のパネリストの話を持ち帰って、自分では何ができるのかを少し考えていただけると嬉しい」と結ばれ、登壇された皆様に会場に集った約100名の方々から大きな拍手がおくられました。

 グループ「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム2025」では、都市部の交通空白の話題を取り上げ、上記の市民公開講座の延長戦のような熱いやりとりが予想されます! ぜひご参加ください。

第40回リハ工学カンファレンスin神戸は、「リハ工学のこれまでとこれから─支える技術、つなぐ想い、紡ぐくらし」をテーマに、2026年8月21日(金)~23日(日) 神戸学院大学 ポートアイランドキャンパスで開催予定です。

(スタッフ・石黒)