カスタマーハラスメント相談窓口規程
制定:令和7年12月24日
発行:特定非営利活動法人 せたがや移動ケア
運用:世田谷区福祉移動支援センター そとでる
第1章 総則
第1条(目的)
本規程は、特定非営利活動法人せたがや移動ケア(以下「本法人」という)が運営する「世田谷区福祉移動支援センター そとでる」(以下「そとでる」)において、登録事業者が安心して業務を遂行できるよう、カスタマーハラスメント(以下「カスハラ」という)に関する相談業務の基本的な枠組みを定めることを目的とする。
第2条(適用範囲)
本規程は、本法人に所属する役員・職員のほか、登録事業者である介護タクシー等事業者に適用する。登録事業者の従業員や業務委託者が関与するカスハラ事案についても、本規程の対象とする。
第3条(用語の定義)
1. カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、利用者やその家族等からの暴言、威圧的態度、不当要求、長時間の拘束その他、社会通念上相当な範囲を超える行為をいう。
2. 相談者とは、登録事業者の代表者または経営責任者であって、カスハラに関する相談を本法人の相談窓口に対して直接行う者をいう。
3. 相談窓口とは、本規程に基づき本法人が設置するカスハラに関する相談受付機能をいう。
4. 事業所内申出者とは、登録事業者の代表者または経営責任者、当該事業者の従業員(必要に応じて業務委託者を含む)であって、カスハラに関する相談を当該事業者内で申し出る者をいう。
第4条(相談の申出)
1. 本窓口に直接相談を行うことができる者は、第3条の2に定める相談者に限る。
2. 社内申出者からの申出は、当該事業者内で事実関係等を整理の上、相談者が、社内申出者から聴取した内容に基づき本法人の相談窓口に申し出るものとする。
第5条(基本姿勢)
本法人は、カスハラに関する相談を誠実かつ迅速に受け付け、相談者の立場を尊重し、被害の早期解決と再発防止に努める。また、相談内容の秘密保持を徹底し、相談者が安心して利用できる環境を整える。
第2章 相談窓口の設置
第6条(相談窓口の設置)
本法人は、登録事業者が安心してカスハラ事案に対応できるよう、「そとでる」内にカスタマーハラスメント相談窓口(以下「相談窓口」という)を設置する。
第7条(担当者の任命)
1. 相談窓口の担当者(以下「相談員」という)は、本法人の役職員の中から理事長が複数名任命し、そのうち1名を当該業務のリーダーとする。
2.リーダーは、相談員の業務を指導、統括する。
3. 相談員は、カスハラ相談に関して中立・公正な立場を保持し、誠実に業務を遂行しなければならない。
4. 必要に応じて、外部機関(弁護士、区役所、経営コンサルタント等)を補助的に活用することができる。
第8条(相談窓口の役割)
相談窓口は、以下の業務を担う。
1. 登録事業者の代表者または経営責任者からの相談の受付
2. 相談内容の事実確認および整理
3. 相談記録表の作成と保存
4. 必要に応じた助言、外部機関との連携提案
5. 定期的な相談内容の集計と改善策の提示
第9条(相談の方法)
相談窓口への相談は、原則として以下の方法により受け付ける。
1. 電話による相談
2. 電子メールによる相談
3. 書面による相談
4. 面談による相談
5. その他、本法人が適当と認めた方法
第9条の2(相談時間)
相談窓口の利用可能時間は、原則として平日の午前9時から午後5時30分までとする。ただし、緊急性の高い案件については、相談員が可能な範囲でこれを受け付けることができる。
第10条(中立性の確保)
相談窓口の運営にあたっては、登録事業者間の利害関係に左右されず、すべての相談を公平に取り扱う。
第3章 相談業務の範囲
第11条(相談対象者)
相談窓口に相談を申し出ることができる者は、登録事業者の代表者または経営責任者とする。ただし、登録事業者の従業員や業務委託者に関する事案であっても、当該事業者が取りまとめたうえで代表者を通じて相談できるものとする。
第12条(相談対象事案)
相談窓口が取り扱う事案は、以下に掲げるものとする。
1. 利用者またはその家族等による暴言、威圧的態度、不当要求、長時間拘束その他の社会通念上相当な範囲を超える行為に関する相談
2. 登録事業者の従業員や業務委託者がカスハラ被害を受けた場合に関する相談
3. カスハラ防止のために必要な方策や改善策に関する相談
4. カスハラと断定できない場合であっても、相談者が必要と判断した事案
5. その他、本法人が適切と認めるカスハラ関連の事案
第13条(相談業務の内容)
相談窓口は、以下の業務を行う。
1. 相談事案の受理および事実関係の整理
2. 相談記録表への記録および保存
3. 必要に応じた助言や改善提案
4. 外部機関への相談または紹介の提案
5. 定期的な相談事案の集計と分析、再発防止策の提示
第14条(取扱いの制限)
次に掲げる事案については、相談窓口の取り扱い対象外とする。
1. 会員事業者の内部労務管理に起因する問題
2. 個人的な人間関係の不和や私的トラブル
3. 本法人の目的や役割を逸脱すると認められる事案
第4章 相談の手続き
第15条(相談の申出方法)
相談者は、電話、電子メール、面談、書面その他適切な方法により相談窓口に申し出ることができる。相談者は、事案の概要、発生日時、発生場所、関係者、被害内容をできる限り明確に伝えるものとする。
第16条(相談受付)
1. 相談窓口は、相談の内容を受け付けた際、速やかに相談記録表に記入する。
2. 記録にあたっては、相談者のプライバシーを尊重し、必要最小限の範囲で整理する。
3. 相談窓口は、受理した事案について受付番号を付与し、追跡管理を可能とする。
第17条(初動対応)
1. 相談窓口は、相談内容を確認後、緊急性の有無を判断する。
2. 緊急性がある場合は、直ちに理事長に報告し、必要な応急対応を検討する。
3. 緊急性が低い場合は、相談者と連携しつつ、事実確認および解決方針を整理する。
第18条(助言と対応策)
相談窓口は、相談内容に応じて以下のいずれかを行う。
1. 相談者に対する助言
2. 相談記録表や基本方針に基づく改善提案
3. 外部機関(弁護士、区役所、経営コンサルタント等)への相談・紹介の提案
4. 必要に応じた「そとでる」としての対応指針の提示
第19条(記録と保存)
1. 相談窓口は、相談内容、対応経過、助言内容、結果を相談記録表に記録する。
2. 記録は、個人情報保護に十分配慮したうえで、一定期間(原則5年間)保存する。
3. 保存された記録は、分析・改善のために統計的に利用することができる。
第20条(報告と共有)
1. 必要に応じ、相談内容の概要を理事会に報告することができる。
2. 個別の相談内容については、当該登録事業者の同意を得た場合を除き、第三者に開示しない。
3. 集計・分析した内容は、全体の傾向や改善提案として会員に共有することができる。
第5章 秘密保持と個人情報保護
第21条(秘密保持の原則)
1. 相談窓口において取り扱うすべての相談内容は、相談者の同意を得ない限り、第三者に開示してはならない。
2. 相談員および本法人の役職員は、業務上知り得た情報を、相談対応以外の目的に使用してはならない。
3. 秘密保持義務は、相談員および役職員が退任・退職した後も存続する。
第22条(匿名性の尊重)
1. 相談者は、必要に応じて被害者、加害者または関係者を匿名で相談することができる。
2. 匿名のある相談であっても、相談窓口は誠実に対応するが、事実確認が困難な場合には、助言・対応に一定の制約が生じることを相談者に説明する。
第23条(個人情報の取扱い)
1. 相談窓口は、相談業務に関連して取得した個人情報を、個人情報保護法その他関係法令に基づき適切に取り扱う。
2. 個人情報は、事案対応および再発防止策の検討以外の目的には使用しない。
3. 個人情報の管理責任者は理事長とし、具体的な管理運用は相談員が行う。
第24条(記録の管理)
1. 相談記録表等の資料は、個人が特定されないよう十分に留意し、厳重に保管する。
2. 保管期間は原則として5年間とし、期間終了後は速やかに適切な方法で廃棄または匿名化する。
3. 電子媒体で保存する場合には、パスワード設定やアクセス権限の制限等、必要なセキュリティ対策を講じる。
第25条(情報共有の制限)
1. 個別の相談内容を登録事業者以外の第三者と共有する場合は、相談者の事前同意を必要とする。
2. 集計・分析結果を公表する際には、特定の個人または事業者が識別されないように加工したうえで行う。
第6章 報告・改善
第26条(定期報告)
1. 相談窓口は、一定期間ごと(原則として半期に一度)、相談内容の概要を集計し、理事会に報告する。
2. 報告は、相談者や関係者の個人情報が特定されない形で行うものとする。
第27条(改善策の検討)
1. 理事会は、報告内容を踏まえ、必要に応じて再発防止策や改善策を検討する。
2. 改善策は、会員事業者への周知・研修・マニュアル改訂等を通じて実施する。
第28条(研修・啓発活動との連携)
1. 本法人は、相談内容の分析結果を活用し、登録事業者に対する研修や啓発活動を行うことができる。
2. 研修の実施にあたっては、相談窓口担当者または外部機関を講師として活用することができる。
第7章 附則
第29条(施行日)
本規程は、令和7年12月24日から施行する。
第30条(見直し)
1. 本規程は、施行後1年を目途に、その運用状況を検証し、必要に応じて改訂を行う。
2. 改訂は理事会の決議を経て行うものとする。
第31条(その他必要事項)
本規程に定めのない事項については、理事長が別途定める。