第2回 登録事業者研修会:「古武術介護」 岡田 慎一郎氏
2014年10月16日(木)、
「平成26年度 第2回 登録事業者研修会」を開催しました
(18:30-20:30 於:世田谷区立総合福祉センター 研修室/参加者34名)。
司会のせたがや移動ケア・外池 孝晋理事の進行のもと、
世田谷区福祉移動支援センター「そとでる」の羽石 邦センター長が開会挨拶。
今回の研修会は初めての試みとして登録事業者以外にも関心をおもちの方(世田谷区内在住・在勤)
に呼びかけたため、開会にあたっての抱負などを述べさせていただきました。
その後、参加者一人ひとりに自己紹介をお願いし、いよいよ岡田 慎一郎先生のご登場となりました。
*古武術介護とは?: 日本に古くから伝わってきた武術の身体の使い方や考え方をヒントに、身体運用の根本的な改善を図り、介護技術の質的な改善を図る取組みです。 |
【研修会】「疲れにくい 負担が少ない からだの動かし方─古武術介護」(抜粋) 参加者:34名
*岡田 慎一郎氏:理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員。1972年生まれ。
「古武術介護」を提唱、全国で講習会講師や企業アドバイザーをつとめる。
著書に「カラダを痛めない古武術介護」学研、「腰痛のない身体介助術」医学書院、
「親子で身体いきいき古武術あそび」NHK出版 など多数。
☆第一部 「技術のベースとなる身体の使い方」 ☆第二部 「現場に役立つ実践的介助技術」 |
二部構成の研修会でしたが、間に休憩をはさみ、しっかりと全員で身体を動かしました。
「自分の身体の使い方を“根っこ”とするならば、技術は“木”。根っこがしっかりしていなければ木がグラグラするように、
いくら技術を学んでも身体の使い方ができていないと、技術が機能しません。また、力任せな動作では、身体を痛めてしまいます」
というお話を耳にしながら、普段、あたりまえに行っている動きから自分自身の身体を確認しました。
 |  | 写真は草取りのようにしゃがんで、床を歩く動作です。簡単なようですが、「え? 思ったより難しい!」の声があちこちから聞こえます。 |
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 |  | 腕だけでなく「背中」から腕を動かしたり、 参加者どうし2人1組、3人1組になって体験しました。 |
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第二部では、参加者がご利用者様の立場になってみました。
片麻痺の状態を体感したり、登録事業者の皆さんが先生に介助していただくことで新たな感覚を得ました。
岡田先生がおっしゃっていたなかで印象的だったのは、
「介助者は全身を使っていると思っていても、実は部分的にしか使えておらず、その結果、身体各所に負荷がかかり、痛めてしまう」
という言葉。
介助・介護をする方に多い腰痛も、全身の連動性が高まれば結果として、腰への負荷も適切に分散され改善されるそうです。
そして、ベースとなる身体の使い方が良くなってくると、自然と介助技術の質も高まるというお話に多くの参加者がうなづいていました。
じわっと汗ばんだ90分の研修会は、「そとでる」の鬼塚 正徳事務局長の御礼のご挨拶で修了しました。
岡田先生、参加者の皆様、素晴らしい笑顔と互いの気づきのときを、ありがとうございました。
【参加者の声から】

・股関節の開きの重要性を学び、介護に無理なく結びつける。(登録事業者)
・大変良かったと思います。参加者が多かったことから見ても、日頃より皆さんが興味を持っているのがわかりました。(時間があれば)介護タクシーに多い、布団(ベッド)⇒車椅子⇒布団の移乗にもっと時間を割いて欲しかった気がしました。(登録事業者)
・今回の研修会の第二弾が開催されたら、また参加したいです。(登録事業者)
・以前より、ひじょうに興味のあった古武術介護でしたが、考え方を教えていただいて、とても勉強になりました。(登録事業者)
・とても良かったです。「からだの使い方」、この研修に参加しなかったら、今まで通りの腰に負担をかける動きだと思います。人間のからだの構造を知り、反映させる技術は素晴らしかったです。(登録事業者)
・目からうろこが落ちた! と思いました。もっと練習ができたら…と思います。(一般参加)
・先生の動きはとても無駄がなく、キレイです。簡単そうに見えて、やってみると実に難しい。自分の「肉体改造」から始めないといけないとわかりました。また、人のからだの本来の動きを使い、無駄のない介助技術だと思いました。先生のDVDと本を良く読み返し、習得したいです。(スタッフ)