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2022/10/27

瑞典(スウェーデン)日記04

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【短期連載エッセイ】


スタッフ研修」「階段、階段昇降機」などで「そとでる」とご縁のある、
東洋大学・高橋教授の「スウェーデンだより」です。ご一読ください。 

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瑞典(スウェーデン)日記 04


東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科 
高橋 良至 
 

夏至祭

 6月になるとスウェーデン人はソワソワしてきます。夏至祭と夏の休暇が待ち遠しいのです。暦の夏至に近い週末の土曜日が「夏至の日(ミッドソンマル)」で祝日に、その前日も「夏至の日の前日」という祝日になります。2022年は6月25日が「夏至の日」でした。

「夏至の日」には夏至祭が催されます。白樺の葉をあしらったリースを掲げたメイポールを立ちあげます。そして、色とりどりの花や白樺の葉を編んだ冠を頭にのせ、フィドルやアコーディオンで奏でられる音楽にあわせて、輪になって踊ります。民族衣装を着ている人もいます。スウェーデン各地で、伝統的な夏至祭や関連したイベントがたくさん行われます。

 夏至ですので、日の出は早く、日の入りは遅いです。夜10時を回っても明るいので、イベントは遅くまで行われます。しかし、時間に気をつけていないと、店が閉まっていたりすることがあります。夜は完全に暗くはならず、深夜でもぼんやりと明るい、薄暮の状態が続きます。そして4時頃にはすっかり明るくなっています。しっかりカーテンを引いて寝ないと、寝不足になります。


 
 夏至祭。みんなで力を合わせて、メイポールを立ち上げます。



スウェーデンの中心、ダーラナ

 仕事の都合で、ストックホルムで夏至祭を迎えることになると思っていたのですが、直前に出かけられそうだということがわかり、急遽「典型的なスウェーデンの風景」が見られるという、ダーラナ地方に行ってきました。

 ストックホルムとダーラナ地方の位置関係
(地図データ ©2022 Google)

 ダーラナ地方は、ストックホルムの北にあるシリヤン湖を取り巻く地域で、赤い壁の白い窓枠のある家、白樺の森、小高い丘、大小の湖といった風景が特徴的です。また、スウェーデンの代表的な民芸品として知られる木彫りの馬、ダーラヘストのふるさととしても知られています。

 レクサンドで夏至祭を見て、レットヴィークでシリヤン湖にかかる桟橋を渡り、夏至のスウェーデンを一通り楽しみました。


 森と湖の中に赤い壁の家。


 夏至祭にシリヤン湖を渡るボート。
 漕手は民族衣装をまとっています。



 眼鏡屋さんのディスプレイにダーラヘストが。



長い夏休み

 6月末からは多くのスウェーデン人が夏休みに入ります。 7月に職場にいるのは外国人だけです。ちなみに休暇は、「4週間は取る」そうです。皆さん、サマーハウスを持っていたり、ボートを持っていたりします。キャンピングカーをレンタルする人もいます。私も滞在中に友人の別荘に少しだけお邪魔しました。畔の一軒家はとても静かで、近くの森を散策するなどして過ごしました。
「1週間は滞在しないと、休みモードにならない」とのこと。しっかりオン・オフの切り替えをすることが、本当の休みにつながるのでしょう。日本でもそうありたいものです。

 この時期、ストックホルムは観光地を除き人影はまばらです。公共交通は減便になりました。 8月中旬になると、「列車ダイヤがもとに戻ります」との掲示が駅に張り出され、道行く人が増えて、ようやく長い夏休みが終わったことを感じました。


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スタッフ:スウェーデンと言ったら「夏至祭」ですね。映画や文学、絵画など多くの芸術作品に取り上げられるテーマでもあり、とても興味をもっていました。今回の日記をきっかけに、「行ってみたい!」という方もいらっしゃるかもしれません。


私:コロナの規制も緩和されていますので、機会があれば、ぜひ訪れてはいかがでしょうか。夏は陽の光が強いので、帽子と日焼け対策は必須です。湿度が低くカラッとしているので、よほど気温が高くなければ長袖でも快適です。現地の人は、好んで日焼けをしていますが……。


(次回、「公共交通のアクセシビリティ」を掲載予定です。変更の場合、ご了承ください)

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