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■福祉社会のリーダーに求められることは?

スタッフ 2007年にベストセラーとなった『女性の品格』には、女性のみならず男性に向けても「生き方」が示されていたと思います。いま「7つの力」をうかがいながらエッセイの内容を思い返していました。



坂東 私はまだまだ「on the way」ですが、これからの社会で必要とされる女性の生き方、リーダーシップは、成長指向時代とは違います。「モノやお金の豊かさをみんなが追求する」時代ではありませんし、成長指向時代のリーダーのように「どんな困難があっても突き抜けていくぞ!」という破壊力、突破力がある人が求められるわけではありません。
 これからのリーダーに必要とされるのは、まわりの人を巻き込んでいく力。
 一緒にやっていく人、「共感力」のある人ではないでしょうか。



スタッフ 先ほど「失敗」についてお話しされた際に出た、「共感力」ですね。



坂東
 はい。「引っ張る」よりも、一緒に巻き込んでいける力をもっている人がいい。なぜなら、フォロワーの人たちもそれぞれが「自分の事情」を抱えているんですよね。自分の事情、感情、都合を抱えているなかで、「でも、やろうよ」と働きかけることができるリーダー。そこには相手に対する「共感力」が必要ですし、「共感力」があれば「あなたの事情はこうね」とわかったうえで「これをやろうよ」と言えると思うのです。
 ですから、「福祉社会」「高齢社会」であるこれからの日本のリーダーは、みんなに共感して、みんなが納得できる目標のために協力していける人が良いと思います。私は女性たちにそういう意味でのリーダーシップを身につけてほしいし、昭和女子大学の学生にもそのようなリーダーになってほしいです。
 そしてこれからの女性は福祉社会の担い手であり、リーダーであり、少しでもまわりの人と力をあわせて動く、世界を少しでも良くするために動く存在であってほしい。その意味で「そとでる」の皆さんがやっていらっしゃる移動支援のあり方は、まさに福祉社会づくりのリーダーシップをとっていらっしゃると思います。



スタッフ
 ありがとうございます。「そとでる」のご利用者、そのご家族はさまざまな環境の方、お立場の方がいらっしゃると思います。私たちも障がいをおもちの方やそのご家族、介護や認知症について学ぶご家族の勉強会などに参加して、多様な状況・お気持ちなどをうかがわせていただいております。



坂東
 「そとでる」の皆さんが「支える人を、支える」のは、とても大切なことですね。



スタッフ
 はい、「共感力」や「力をあわせて動く」こと。改めて「外に出て皆さんのお声を耳にしないと…」と、思いました。



坂東
 これからは高齢社会で、「支える側・支えられる側」の境界がなくなっていく側面もあるでしょう。
 現在、65歳以上が総人口の3割をしめていますが、疫学的な所見でも昔の65歳といまの65歳は異なると言われます。介護が必要な方は65、70歳では約3%と少なく、本当に介護が必要な方は75、80歳…と年々、高齢化していきますよね。
 私自身は、少なくとも70代は自らロコモーション機能(ロコモーション:立つ・歩く・走るなど日常生活に必要な身体を移動させる能力)を鍛え、「そとでる(外出る)」機能をもつことが大事だと思っています。



スタッフ
 そのために、日々の暮らしで意識していらっしゃることはありますか?



坂東 「貯金」はできないけれど、毎日、筋肉の「貯筋(ちょきん)」をしております。ありがたいことに世田谷区内に住んでいるので、職場まで歩いて通勤しています。歩いて40分弱ですが、身体機能は個人の努力次第で変化します。ロコモーション機能を保つことは重要ですから、これからも頑張ろうと思います。



スタッフ
 凛としたお姿とすてきな笑顔の秘密を教えていただいたような気がいたします。




■1週間のうち「1%」、ボランティアを!

スタッフ
 「せたがや移動ケア」では、「おでかけサポーターズ」というボランティアスタッフがサポーターとして活動してくださっているのですが、より多くの方に関心をおもちいただけたら…と思っています。



坂東 (「おでかけサポーターズ」のチラシを手に取り、)ボランティアの方々がいらっしゃるんですね! お元気な60代、70代の方々が「サポートを必要とする方」の役に立つ活動をするのは良いことですし、自分たち自身も「まだまだ力がある」と実感できると思います。
 ところで、「人生は4つに分かれている」という考え方(人が4つの段階を経過する四住期)があります。

 インドの人生観(四住期)

・「学生期(がくしょうき)」
・「家住期(かじゅうき)」
・「林住期(りんじゅうき)」
・「遊行期(ゆぎょうき)」
                 

 日本人は仕事を辞めるとすぐに「遊行期」になる方が多いですが、職場や家庭で一生懸命働いた「家住期」のあと、林(コミュニティ)で過ごす「林住期」ではなく「自分が楽しく、まわりに迷惑をかけずに過ごせたらそれでいい」という「遊行期」に入るのです。
 私は通勤時にウオーキングをしていて、高齢者でジョギングをしている方や犬の散歩をしている方をたくさんお見かけするのですが、その方たちのお力、お時間をお借りできたら素晴らしいと思います。けっして無理をなさらずに、1週間のうちの1%だけ、10%だけをボランティア活動に使っていただく。例えば、「1%クラブ」とか「10%クラブ」という名称で気軽に参加していただくのはいかがでしょう?



スタッフ ありがとうございます。すてきなキャッチフレーズですね! ぜひ、先生のお言葉を私たちの活動で使わせていただければ、と思いました。
 最後に「そとでる」のご利用者、登録事業者、「おでかけサポーターズ」に向けて、メッセージをお願いします。



坂東 以前、オーストラリアに行った際、印象的なことがありました。オーストラリアは「福祉社会」として知られておりますが、そのときに感じたのは「日本はハードの部分を整備するのは上手だが、オーストラリアはソフトの部分が進んでいる」ということでした。
 どういうことかと言うと、人々の「対応」が違ったのです。オーストラリアは古い建物も多いですが、段差があって車イスの移動はなかなか難しいです。私の母が車イスの移動で苦労していた時、現地の若い男性たちがスッと車イスを持ち上げてくださった。何も言わずに介助して「さよなら」と去っていく姿を見て、「こんなふうにみんなが助けてくれたら、スロープを作らなくても良いのではないか?」と思ったくらい、自然でした。
 日本では、まずハートビル法などの「法律」を作りますが、必要なのは皆が手伝ってくれるような「心づくり」ではないか? 「本当の福祉は、心の中から作っていかなくてはいけない」と思ったのです。
 世田谷区民のうちどれだけの方が、ハンディを抱えている方々に対して想像力をもてるか。どれだけの方が「共感力」をもてるようになるか。
 ぜひ世田谷区が「共感力」にあふれた“福祉社会のモデル”になるように、と願います。

写真:世田谷区・保坂 展人区長と共に(昭和女子大学と世田谷区との連携協力に関する包括協定締結式)



スタッフ
 本日は素晴らしいお言葉をたくさんいただきました。一つひとつを思い出しながら「そとでる」の活動を行いたく思います。
お忙しいなか、貴重なお話をいただきありがとうございました。




聴き手
:「せたがや移動ケア」理事・外池 孝晋、「そとでる」スタッフ・石黒 眞貴子(2015年10月)
:石黒 眞貴子
撮影:梶山 淳子
昭和女子大学・写真提供:昭和女子大学全景、プロフィール、包括協定締結



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