スタッフブログ

グループ 第39回 リハ工学カンファレンス in東京① 論文発表、福祉車両展示

2025年8月8日(金)-10(日)、「第39回 リハ工学カンファレンス in東京」が開催されました。(場所:東洋大学赤羽台キャンパス WELLB-HUB2(東京都北区)、主催:一般社団法人 日本リハビリテーション工学協会、実行委員長:東洋大学福祉社会デザイン学部人間環境デザイン学科 高橋 良至教授)

同会に「そとでる」の鬼塚センター長、事務局スタッフ・吉原がそれぞれ公開講座パネリスト、論文発表者として参加したほか、福祉車両の展示・乗車体験コーナーに協力したこともあり、スタッフが複数日 取材しました。
今回のスタッフブログでは、2回にわたって カンファレンスの模様、「そとでる」メンバーの活躍を報告します。

 

「第39回 リハ工学カンファレンス in東京」
■開催概要(以下は HPほかを参照)
テーマ:「アクセシブルな未来のデザイン」
障害者差別解消法が改正され、障がいのある人への合理的配慮の提供が義務化されたが、未だに多くの制限がある。誰もがバリアを超えて要望を叶えることができる、目標にアクセスすることができる将来のあり方や、その実現に向けた技術や制度などの方策について議論し、より豊かな生活の実現を目指すことを目的とする。
開催内容:障がい者や高齢者の日常生活や職場/教育環境など、包括的なリハビリテーションを支援する技術などについて、一般セッション、オーガナイズドセッション、インタラクティブセッション、福祉機器コンテスト作品展示、企業団体展示、市民公開講座、プレカンファレンスなど。 

 
写真左より:会場入口、受付風景(8日)


■論文発表(WELLB-HUB2 3F 口頭発表会場2)
開催初日の8月8日(金)、「車いす車両乗車時の安全性」(座長:清水 弘子氏(NPO法人かながわ福祉移動サービスネットワーク))を演題テーマとした発表会場で、「そとでる」事務局のスタッフ・吉原 浩一が 論文「介護タクシー業界の将来展望:超高齢社会における変革と持続可能性への道筋」を発表しました。
吉原は会場で7番目の発表でしたが、先に発表された6名の皆様とはやや異なる立場から、介護タクシー業界の展望を発信しました。
カンファレンスに集う方々に対して、現状や担い手不足等の問題点、課題をお伝えしたうえで、今後の道筋(3つの戦略等)を発表するミッションでしたが、日々の事務局業務で培った知識・経験をもとに無事に発表いたしました。その甲斐あって、発表後に、移動支援の分野に関心がある方、参入したいとお考えの方からご質問を受けるなどのやりとりもありました。

78演題(他会場含む)のうちのひとつである発表を聞いてくださった皆様、ご静聴 ありがとうございました。


写真左より:
発表者・久内 純子さん(「シーティングエンジニアから見た車椅子の車両乗車の問題」)、「そとでる」吉原、清水 弘子座長(「車いす車両乗車時の安全確保について」)、「そとでる」石黒(取材)


■福祉車両体験乗車会、福祉車両展示会(ELLB-HUB2 なかみち広場)
8月9日(土)、10日(日)、「そとでる」鬼塚 正徳センター長が、来場者の皆様に福祉車両の体験をしていただきました。
この体験乗車会、展示会は入場無料でどなたにもご参加いただけるもので、自操式(運転補助装置で障がい者が運転することができる)車両や、車いす乗車する送迎用車両をより多くの方に知って頂く企画でした。

私たち「そとでる」の他に、NPO法人かながわ福祉移動サービスネットワーク、(株)ミクニライフ&オートの皆様が協力しており、体験される方がいらっしゃらない間に情報交換を行うなどの交流もありました。


写真上段左より:鬼塚センター長、NPO法人かながわ福祉移動サービスネットワーク、
下段左より:情報交換する乗車会・展示会メンバーたち、全員で記念撮影

協力車両:
日産 NV200バネット、
トヨタ カローラツーリング、
ダイハツ ハイゼット、
日産 キャラバン

*会場風景の写真はすべて10日(日)


■各種展示など(ELLB-HUB2 1F、3F)
開催期間の3日間にわたり、複数の会場でさまざまな企画展示が公開されました。
企業展示、「福祉機器コンテスト2025」1次選考通過作品展示、協会企画(SIG:Special Interaet Group)、学生作品展示(東洋大学大学院ライフデザイン学研究科人間環境デザイン専攻大学院生)など、多様な活動、研究の成果が展示されており、会場のあちこちで説明や質問の声が聞かれました。

世田谷区で移動支援に携わる活動を継続してきた「そとでる」が、今までに参加してきた学会やフォーラムとはやや異なるカンファレンス。けれど、研究者、技術者、セラピスト、当事者の方々と出会い、やりとりすることができた会場で、「高齢者、障がい者のQOL(生活の質)向上を目指す想いは同じ」と強く感じることができました。

 

*会場風景の写真はすべて8日(金)

 ■会場から
車いすのおもちゃ、人形、フィギュアに興味を持ち、お話をうかがいました。
展示を担当していた沖川 悦三さん(日本リハビリテーション工学協会事務局参与、関東甲信越支部長、車いすSIG代表)が、おひとりで収集されたとのこと。
神奈川総合リハビリテーションセンターに勤務されていた沖川さんは、チェアスキーの器具の開発者として知られ、チェアスキーの歴史を支えたおひとり。現在は車いすSIGとして、少年マンガ、青年マンガの作品中に登場する車いすの監修なども行っているとのことでした。


(10日開催の市民公開講座「くらしの足の未来をデザインする」につづく→) 
(スタッフ・石黒)